2019 年 3 巻 2 号 p. 163-166
文化資源の蓄積と永続的継承を意図して構築されるデジタルアーカイブにおいて、その長期的ケアを具体的に計画し実践することは、運用者の倫理的な義務である。しかし、様々な要因によって、運用中のアーカイブの停止や規模縮小、意図しないデータ消失といった問題が顕在化している。特に、コミュニティアーカイブのような中小規模のデジタルアーカイブにとっては、こうした問題に対する論理的対応手順の検討と事前準備を行っておくことが、喫緊の課題となってきている。運用開始から11年となる森正洋デザインアーカイブを例として、システムマイグレーション・フローチャートの構築を試み、その考察を行った。