2020 年 4 巻 2 号 p. 214-217
国立科学博物館附属自然教育園にて、動画撮影による植生管理手法のデジタルアーカイブ化を試みた。自然教育園は文化財保護法により、全域が天然記念物および史跡に指定され保護されるとともに、研究・教育のための野外博物館としての機能を有している。園内の植生管理においては開園当時から専門の職員が担当し、方針や大まかな手法については維持管理要綱として文書化されているが、各植栽展示の管理手法の詳細は職員の経験に基づく部分が多く、明文化されていないことが現状の課題である。そこで今回、自然教育園では現状の植生管理手法をデータ化し可視化を目指す中で、動画制作によるデジタルアーカイブ化に取り組んだ。
生態系を考慮した植生管理手法については、一般にあまり知られておらず、デジタルアーカイブ化は自然環境保全について広く理解を深めることと天然記念物の保護と活用についての教育普及にもつながるといえる。
今回はその第一歩として実施した動画制作の取り組みとそのプロセスについて報告する。