2020 年 4 巻 2 号 p. 241-244
デジタルアーカイブは複数の技術の組み合わせによって構築されるソリューションであると同時に、そこにおいて暗黙的にも明示的にも知識を積み上げていくことでユーザのニーズに応えようとしてきた。しかしながら、組み合わせられるべき様々な技術は、必ずしも適切に取捨選択されているとは言えない場合がある。一方、積み上げられた知識は、しばしば暗黙的な要素を含んでおり、作成時の担当者がいなければわからなくなってしまうことが少なくない。この二つの問題は、別個の問題ではありながら、時として相互的に作用することで事態をより深刻化することがある。本発表では、この課題に関して、2020年の状況にあわせたよりよい状況を目指すための方向性を検討し、発表時点での解決の可能性を提示する。