2020 年 4 巻 s1 号 p. s1-s4
一年中落語を上演している寄席定席の番組(出演者一覧)データを集計用に整備すると、演者ごとの年間登場回数や、「初席出演者は年間登場回数が多い傾向がある」など、様々な要素との関連分析が可能になる、さらに、過去の番組データを使うと、観客が漠然と感じているような落語家の世代交代の発現も、数値で明示できる。寄席定席の最新の番組情報はHPで公開されておりデジタルデータの入手が容易だが、過去の番組のデジタルデータの公開には、個人情報の問題や公開コストの負担面で様々な障壁があり、一般公開には至っていない。また、「年間登場回数ランキング」のようなデータ集計自体が当事者にはあまり好意的に受け止められない、という事実も、障壁の一つと言える。事務局にはこれら以外にも各種の貴重な資料が保存されており、これらが散逸してしまう前に活用の道が開かれることを期待している。