2021 年 5 巻 1 号 p. 53-55
吹田市立博物館では、新型コロナに関連する資料の収集を行っている。こうした資料は、次世代の人々が感染拡大の実態を知る上で貴重な歴史資料となる。同館ではまた、新型コロナに関連したミニ展示を開催した。収集資料の一部を展示することで、次なる収集につなげることとともに、コロナ禍が日本や地域社会に何をもたらしたのか、また私たちに何を託したのか、来館者一人一人が、これからの日本のあり方、みずからの生き方を考えるきっかけとしてもらうことを目的としていた。モノからコトへ、というように博物館の社会的役割が変化する時代の中で、モノとともに市民による新型コロナ体験の証言を収集・アーカイブする活動が重要となろう。