2021 年 5 巻 s1 号 p. s25-s28
我が国の「デジタルアーカイブ」草創期において、文化資産のデジタル記録とアドバタイジングで「地域振興」を図る動きが自治体で進んだ。しかし、それら自治体によるデジタルアーカイブの全てが地域振興、とりわけ筆者が注目する「地域の経済振興」に関連するとはいいがたい。
本研究では、自治体による映像アーカイブと地域における経済振興の関係に注目し、過去(草創期)に構築された自治体による映像に重点を置いたデジタルアーカイブ(上田市デジタルアーカイブ、石川新情報書府、Wonder沖縄)の性質と、地域に与えた経済振興に関する効果について整理する。その後、それらの関係に関する分析をとおして、地域経済振興に資する自治体における映像アーカイブの性質について仮説を生成する。ただし、本発表は当該研究の前半部分を対象とし、事例の性質と地域に与えた効果について特徴的な事項を整理するものである。