2021 年 5 巻 s1 号 p. s51-s54
自然災害やパンデミックのようなクライシスが発生し、その状況が時々刻々と進展するのに伴って、社会の状況を記録した膨大なニュースが生成される。このようなニュースのデータをコーパスとして蓄積し、その分析機能を備えたアーカイブを構築することは、ジャーナリズムの成果を社会の分析と歴史の研究に活用するための基礎的な情報基盤となる。本研究は、筆者が構築する3つのクライシス・ニュース・アーカイブとして台風、東日本大震災、COVID-19を取り上げ、このような大規模テキストコーパスの「読み方」を探求するための方法を比較検討する。またそこから読み取れるクライシスごとの特徴やクライシス間の比較についても予備的な結果を述べる。