デジタルアーカイブ学会誌
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口頭発表
[34] 電子メール長期保存の課題:ePADDの有用性と問題点
堀内 暢行橋本 陽
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2021 年 5 巻 s1 号 p. s55-s58

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抄録

本報告では、日本で実践事例が見られない電子メールの長期保存対策について、ePADDを利用する方法を解説し、その有用性を明らかにする。ePADDはスタンフォード大学によって開発されたOpen Source Software(OSS)である。独自の自然言語処理(NLP)機能が備っており、電子メールの評価選別、整理、検索、提供という4つのモジュールから構成されている。電子メールは、ISO 15489に準拠したElectronic Document and Records Management System(電子文書・記録管理システム、EDRMS)から独立したシステムで作成され、そのまま保管される場合がほとんどである。その結果、記録管理のライフ・サイクルから外れ、秘匿すべき情報、メタデータおよびフォーマットの管理が行き届かず、将来の保存と利用が危ぶまれることになる。この対策として、ePADDの4つのモジュールが有効であることを示すとともに、日本語の環境での使用が難しい現状を課題として挙げ、その解決の道筋を論じる。

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https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
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