2021 年 5 巻 s1 号 p. s78-s81
東京農工大学学芸員課程では、所蔵学術資料を用いたキュレーション教育の実践開発を行っている。今回実習生を対象とし、COVID-19流行下での新たな視点での実習として、ジャパンサーチ内の新機能「「ワークスペース機能」を活用した演習を行なった。授業は(1)学生への操作手法のレクチャー、(2)各自のテーマに基づく仮想ギャラリー構築、(3)ギャラリー発表とディスカッションを行った。その結果、画像の検索と共有作業おいてデジタル化資料活用における手順についての理解が深まり、従来の博物館実習中では十分に取扱えなかった点の補完的効果を示した。以上からオープンリソースを活用する上での資料の引用、公開手法に関する理解を深め、デジタルと実物への活用展開の議論を深める事を可能にしたと言える。本実践は新たなキュレーション教育モデル事例として有効であり、今後の遠隔授業における参考事例となるものである。