2021 年 5 巻 s1 号 p. s94-s97
教育コンテンツはデジタルアーカイブにとって重要な領域であり、COVID-19禍による遠隔授業の拡大で、その重要性はさらに増したと言える。一方、大学の授業では、教員は教科書を利用せず、学術・専門書など商業出版物のコピーや、図表類再利用による自作スライドを教材とする傾向が強まっている。これは、教員・研究者にとって良きパートナーと言える商業出版界の収益基盤悪化を招きかねず、大学として憂慮すべき状況と考える。本稿はこの課題解決の一助としての可能性を探るべく、教科書・参考書(電子版)をサブスクリプション方式で利用を試みた実験授業の報告である。