2022 年 6 巻 s2 号 p. s62-s65
コミュニティ・アーカイブは、地域をはじめとした様々なコミュニティが、自らが主体となって、自らの利益のために、自身に関する記録の収集・管理・活用に取り組む事業である。コミュニティ・アーカイブが公共性と継続性を保つためには、コミュニティ内外の多様な観点から、記録の意味と管理方法を絶えず問い直すことが必要であると指摘される。しかし、コミュニティ・アーカイブとは、そもそもいかなる人々や団体がいかに関与する場であり、その場に取り入れるべき「多様な観点」とはどのようなものであるのだろうか。本発表では、福島県大沼郡金山町のコミュニティ・アーカイブ事業〈かねやま「村の肖像」プロジェクト〉を例に、地域を対象としたコミュニティ・アーカイブに関わる人々や団体の具体的なあり方を活動場面ごとに整理し、そこに取り入れられるべき「多様な観点」について検討する。