2022 年 6 巻 s3 号 p. s143-s146
発表者は、オンラインで書籍リストを共有するウェブサービス「仮想書棚」を開発している。書籍リストとは、個人の蔵書群や、書評集、ブックガイドなど、任意の主題でキュレーションされた複数の書籍群をさす。書籍リストの提示方法は、場所によって変化する。実空間では、書籍を棚や台に並べる。紙誌面では、各書籍の書誌情報を箇条書きし、書影を添える場合もある。バーチャル空間でも、箇条書きや書影を並べる従来の方法が踏襲されている。一方、現実の書棚を模し、背表紙を並べて提示する例や、3次元空間や地理的に配置する実験的なプロジェクトも存在している。こうした事例を受け、「仮想書棚」では、書籍リストを並べた背表紙で提示するインタフェースデザインの採用を検討し、書誌情報から背表紙画像を生成するプログラムを開発した。対象とする書籍は、新書に限定した。この開発の経緯と展望を報告する。