デジタルアーカイブ学会誌
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一般研究発表 (沖縄現地会場)
[C12] 特撮作品を誘致資源化したレジャー施設の観光史研究:特撮ツーリズム研究の視点から
二重作 昌満
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2022 年 6 巻 s3 号 p. s170-s173

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抄録

本研究の目的は、特撮を誘致資源化した観光現象である特撮ツーリズム誕生当初の時代(1950年代から1970年代)に焦点を当て、当時代に各レジャー施設にて開催された催事の模様やその創作過程に着目することで、各映像制作会社がいかにキャラクタービジネスを現在まで成立させてきたかについて、観光歴史学的観点から記録と検証を実施した。その結果、特撮ツーリズム誕生初期の時代も現在と同様、開催地は多様性に富んでいた。特に百貨店や遊園地において、着ぐるみショーや展覧会等の開催事例が集中的に確認可能であった。その上で、特撮ツーリズムが現在まで約70年の歴史を有するまでに至った背景には、誕生初期の時代において特撮作品の撮影で使用された「物品」が、観光者にとって「時間を費やして訪れるに値する存在」として認知されたことが下地となり、やがてその認識が現在まで普遍化していったことで、当観光現象は現在まで続いてきたことが考察できた。

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