2024 年 8 巻 3 号 p. e3-e12
東北地方太平洋沖地震の震災関連資料(以下、資料)を対象とした図書館アーカイブは、アナログ媒体が中心で、OPACによって管理されているため利活用に課題がある。そこで著者らは、震災学習の成果を記録するとともに検索性向上に繋げる資料循環型モデルを導出するとともに、その要素技術について検討してきた。本研究では、資料循環型モデルに基づくデジタルアーカイビングシステムの有用性について評価する。開発されたシステムを用いた震災学習プログラムの実践を通して、資料のレビュー結果や新規に作成されたデジタル資料がシステムにアーカイブされ、資料の利用活性化と検索性向上に貢献可能であることが示された。このことから、構築されたシステムの一定の有用性が確認された。