2025 年 9 巻 s2 号 p. s226-s229
本研究では、妖怪などの怪異伝承に着目し、過去から現代までのことのあり方を記録し、文化継承するためのデジタルアーカイブプラットフォームの構築を目的とする。その実現のため、ユーザーに怪異伝承の理解と現代的な解釈を促すシステム『ばけばけXR』を実装した。本コンテンツは、 (i) 伝承を多感覚的に学ぶための没入型体験、 (ii) ユーザーの怪異体験を基に生成AIを用いて新たな妖怪を創造する体験と (iii) 生成された妖怪と過去の伝承をデジタルアース上に時空間的に可視化する体験、という三つの主要機能を持つ。本稿は、ユーザーの恐怖や不思議などの主観体験から形成された妖怪文化の特色を生かし、『ばけばけXR』が過去の伝承と現代の体験を多面的に結びつけ、妖怪文化の動的な保全と振興にどのように貢献できるかを論じる。