2025 年 9 巻 s2 号 p. s83-s86
近年、3Dプリンターのみならず、Thingiverseをはじめとする3Dモデル共有のためのプラットフォームが普及し、教材や展示資料を含む「モノ」のオープンデータ化の進展がみられる。これらの3Dモデルの活用は、視覚的理解に依存しやすい宇宙教育において有効である。黒部市吉田科学館では、視覚障害者でも学習可能な宇宙教育に向け、オープンデータの3Dモデルを利用するとともに、月・惑星の3Dモデルを自作した。自作3Dモデルを当科学館の展示やワークショップにおいて「さわる」教材として利用したほか、解説資料と共にThingiverseでデジタルアーカイブ化し公開した。本教材は、視覚障害の有無を問わず、幅広い来館者から好評を得た。本報告では、これまで当科学館で行われてきた実践の例を挙げ、包摂的な博物館づくりに資するデジタルアーカイブの活用方法を議論する。