美術作品のデジタルアーカイブ化に伴い、メタデータを活用した計量分析による知見獲得への期待が高まっている。本研究は美術作品メタデータの計量分析手法について方法論的検討を行い、有効性と適用条件を明らかにする。複数の美術展覧会を対象とした計量分析により手法の適用可能性を検証した。具象的なモチーフ名や明確な主題を含む作品では計量的手法が有効だが、制約も存在する。抽象的概念や思想的背景は作品タイトルに反映されにくく、テキストベース分析では捕捉困難である。視覚的特徴や制作技法等の感覚的情報は言語化が困難で、現行のメタデータ記録では限界がある。異分野価値観が混在する展示では統一的分析枠組み適用が困難である。これらの知見は美術作品メタデータ分析における手法選択指針を提供し、適切な分析設計の重要性を示す。