2006 年 16 巻 3 号 p. 189-198
兵庫県が建設している石井ダムは,ダム基礎河床部に20 Luを超える高透水ゾーンを有するが,以下の点を踏まえた基礎処理が計画・実施された。(1) 貯水池運用上は利水容量を有しない治水専用ダムであり,利水ダムに比べ漏水に対する許容度が高いこと。(2) ダム基礎岩盤が中生代白亜紀の布引花崗閃緑岩という堅硬な岩盤であるため,浸透破壊を生じず,ダム基礎として長期的に安定していると考えられること。平成16年11月から試験湛水を開始し,現在も試験湛水を継続中ではあるが,これまで漏水量などの各種モニタリングを行ってきたので,ここに報告する。