ダム工学
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16 巻, 3 号
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論文
  • 向後 雄二, 浅野 勇, 林田 洋一, 遠目塚 良一
    2006 年16 巻3 号 p. 165-176
    発行日: 2006/09/15
    公開日: 2008/06/27
    ジャーナル フリー
    フィルダム盛土内の間隙水圧を計測するためにワイヤレス間隙水圧計を開発した。この間隙水圧計の特徴は,大きさと重さがフィルダム遮水材の最大粒径および単位体積重量と同程度である。このため,埋設後盛土内では異物として挙動することはない。地中での通信距離は100 m以上で,耐用年数も10年以上を確保した。本論文では,ワイヤレス間隙水圧計の基礎理論,開発における各種基礎試験,この計器を二つのフィルダムに埋設し,ケーブルのある計器との計測比較結果について述べた。結果は,どれも良好で,従来型の計測結果とおおむね一致した。
  • 谷中 保男, 高橋 章, 粳田 茂樹, 西垣 誠
    2006 年16 巻3 号 p. 177-188
    発行日: 2006/09/15
    公開日: 2008/06/27
    ジャーナル フリー
    長野県東部の信濃川水系南相木川の最上流部に位置する南相木ダムのコア材料は,粒度分布が粗く,自然含水比が高く,かつそのばらつきも大きい材料であり,国内では使用実績の少ない材料であった。しかし,経済性・環境への配慮を考えた場合,現地発生土を利用することが必要であるため,この材料を使用することとした。この材料の品質を改良するためには,細粒分を確保した上で,含水比の平均値を下げ,かつ含水比のばらつきを小さくするという特有の課題を解決する必要があった。本論文は,これらの課題を解決するために,コア材料の改良方法として一般に用いられているストックパイルでの「積層仮置・切崩し法」に加え「統計論の2段サンプリング理論」を導入し,材料の品質を管理する新しい手法を開発したものである。
報告
  • 小川 和延, 木下 靖, 三宅 俊史, 西川 倫広
    2006 年16 巻3 号 p. 189-198
    発行日: 2006/09/15
    公開日: 2008/06/27
    ジャーナル フリー
    兵庫県が建設している石井ダムは,ダム基礎河床部に20 Luを超える高透水ゾーンを有するが,以下の点を踏まえた基礎処理が計画・実施された。(1) 貯水池運用上は利水容量を有しない治水専用ダムであり,利水ダムに比べ漏水に対する許容度が高いこと。(2) ダム基礎岩盤が中生代白亜紀の布引花崗閃緑岩という堅硬な岩盤であるため,浸透破壊を生じず,ダム基礎として長期的に安定していると考えられること。平成16年11月から試験湛水を開始し,現在も試験湛水を継続中ではあるが,これまで漏水量などの各種モニタリングを行ってきたので,ここに報告する。
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