抄録
アスファルト表面遮水壁タイプのダムや調整池においては, カットオフや取水口, 洪水吐きなどのコンクリート構造物と遮水壁を適確に接合させ, 水密性を確保することが要求される。アスファルトとコンクリートの境界面に外力による滑動や剥離が発生した場合, 境界面付近の遮水壁のひずみが増大し遮水壁に亀裂を生じる事例が報告されている。本論文は, アスファルト表面遮水壁とコンクリートとの接合部の構造を, 小丸川発電所上部調整池工事において, 材料試験や現場舗設試験で検証した結果を実施工で実証することにより, 接合部の最適な設計, 施工方法を提案するものである。