矢作ダムの堆砂対策の一手法として「水頭差を利用した吸引方式による排砂工法」の検討が進められており,その機能を確認するための現地実証実験を実施した。実験は矢作ダム貯水池内の貯砂ダム付近にて,水頭差4.5m,排砂管径600mm,延長47mの設備を設け,サイフォン原理を利用した移動式吸引方式による排砂工法で行った。排砂対象土砂,管内流速,運転操作等により5ケースの実験を行い,各実験ケースの排砂状況を確認し,設備機能の確認と設備設計に必要な諸定数の推定ができた。本報文は共同実験の概要とその実験結果について報告するものである。