2022 年 32 巻 1 号 p. 28-39
重力式コンクリートダムの施工方法は柱状工法,拡張レヤ工法,RCD工法に大別され,近年では中規模以上のダムであればRCD工法が適用されるのが一般的である。RCD工法では大型重機による連続施工で施工量を最大化する。また,これらの機械の自動化を目指す取り組みも行われている。一方で,働き方改革により4週8閉所を目指す建設業界の潮流はダム建設にも及んでおり,これまでと同等の品質のダムを建設するためには,打設日数を確保するための発想の転換が求められている。本稿は,川上ダム本体建設工事で取り組んだ施工実績を検証し,新しいダム建設手法に関して論じたものである。