2017年長野県裾花ダムでは,洪水調節操作時にゲート敷高まで達した堆砂と沈木の引き込みによりゲート操作が不能となる事例が発生した。このような事故はダム堆砂の進行と近年の豪雨災害時の流木の大量流入との複合作用と考えられ,今後顕在化しうる。しかし沈木に関する研究は乏しく,流木から沈木へ変化する過程,湖底の沈木の分布などは全く調査・研究されておらず,最終的にゲートの閉塞リスクが発生するメカニズムなどはいまだ推測の域を出ていない。本研究では,堆砂測量で近年多用されるMBES深浅測量を裾花ダムで実施し,従来注視されなかった微細突起物を解析することで沈木の特性と探知可能性を検討し,その可能性と今後の課題を示す。