堆砂量測量は多くのダムで義務付けられていると同時に安全・持続可能なダム運用を行うための重要な情報源である。近年はナローマルチビームの登場により従来と比べ遥かに高精度な堆砂測量が可能となった。一方,測深では誤差の発生が不可避であり,これは過去と比して堆砂量がデータ上で減少する「負の堆砂量」という問題として顕在化することがある。本研究ではナローマルチビームを含む音響測深が抱える誤差の発生要因を紹介する。また,奈良県室生ダムで得られた20年分の測深データを分析し,誤差が貯水池斜面部で頻発することを示す。