ダム貯水池には,ゲート閉塞や流木流出を防ぐために網場が設置されている。経年劣化した網場のネット部が破損して流木捕捉機能が損なわれれば,ダムの安全管理上大きな問題となるが,その劣化メカニズムは十分に明らかにされていない。そこで,本研究ではネット部の経年劣化メカニズムを明らかにするために現地調査と室内実験を行った。その結果,ネット部は,紫外線・流木接触・法面接触により劣化し,ネット配置ごとに劣化要因が異なることがわかった。また,劣化による破網の発生確率は,外力の大きさで変化すると想定し,摩耗に対するネットの劣化対策と網場への想定外力とを考慮した破損開始時期を求める方法を提案した。