ダム工学
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地震観測記録に基づくロックフィルダム堤体の速度構造と振動特性の検討
茂木 秀則佐野 貴之市川 滋己佐藤 信光
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2025 年 35 巻 1 号 p. 67-80

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抄録

本研究では奈良俣ダム(独立行政法人水資源機構・群馬県みなかみ町)の地震記録に基づいて堤体のP波速度,S波速度とその振動特性を検討した。その結果,S波速度は (1) コアゾーン上部で350~360 m/s,下部で540~570 m/s,(2) 上流側,下流側ロックゾーンではともに560~600 m/s,P波速度は (3) コアゾーン下部1,950 m/s,上部では520 m/s,(4) ロックゾーンでは上流側1,800 m/s,下流側1,100 m/s程度となり,貯水による飽和の有無と整合する結果が得られた。また,(5) FE-BE解析による堤体の固有振動数は観測スペクトル比による固有振動数とほぼ一致する結果が得られた。

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