2002 年 12 巻 3 号 p. 188-197
青野ダムでは, 曝気循環装置による水質改善の効果を検証するため, 1991年の夏季に約1カ月間曝気装置の稼動を停止した。その結果, 曝気停止後から, 急激に大規模な無酸素水塊が中層以深に形成され約5週間存続した。8月下旬の曝気再稼動直後には, 高濃度栄養塩類を含む底層水が表層水と混合したため, クロロフィル-a濃度が上昇した。これらの状況から, 全層曝気循環により, 溶存酸素濃度の改善などの効果が確認されたが, 栄養塩類濃度が高い底層水を表層水と混合させてしまう可能性が示された。