抄録
重力式コンクリートダムの導流部として堤趾導流形式が多く用いられている. 堤趾導流式の水路形状は, 水理模型実験により検討されるが, 洪水吐きの越流幅が広く, 越流水深が小さいことから, 模型上の水深が小さくなり, 流れの相似性が問題になる. このため, 模型実験の不確実性に対する安全性を確保する目的で, 導流壁上端に越水防止用のデフレクターが設けられてきたが, デフレクターは施工性の問題があり, 模型実験で得られた水面形を適切に評価する方法が求められている. 上記状況に鑑み, 本論文では, 形状が相似で大きさの異なるいくつかの模型を用いた実験を行い, 導流壁沿い水面形に及ぼす模型規模の影響を把握した. また, 模型実験での目視による水面形計測値と電気的な計測装置を用いた計測値を比較し, 目視水面形の誤差を示した.