ダム工学
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14 巻, 2 号
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  • 前原 雅幸, 菊地 宏吉, 小林 隆志, 齋藤 敏明
    2004 年14 巻2 号 p. 73-81
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    HTLP工法は, ダム基礎グラウチングの効率化を目指して開発された新工法であり, 初期配合を高濃度とし, 比較的低い圧力で注入する点に特徴がある. 本工法の有効性を検証するため, 実ダムとしてはわが国で初めて, 上野ダムのコンソリデーショングラウチングに適用した. その結果, 従来工法と比較して改良度合いを損なうことなく, 注入時間の大きな短縮効果が得られ, 基礎処理工事費のコストダウンに寄与することが確認された. また, HTLP工法に準じた高濃度グラウト注入をカーテングラウチングにも適用した. その結果, 初期配合の高濃度化は, カーテングラウチングの効率化にも有効であることが確認された.
  • 柏井 条介, 大黒 真希
    2004 年14 巻2 号 p. 82-100
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    重力式コンクリートダムの導流部として堤趾導流形式が多く用いられている. 堤趾導流式の水路形状は, 水理模型実験により検討されるが, 洪水吐きの越流幅が広く, 越流水深が小さいことから, 模型上の水深が小さくなり, 流れの相似性が問題になる. このため, 模型実験の不確実性に対する安全性を確保する目的で, 導流壁上端に越水防止用のデフレクターが設けられてきたが, デフレクターは施工性の問題があり, 模型実験で得られた水面形を適切に評価する方法が求められている. 上記状況に鑑み, 本論文では, 形状が相似で大きさの異なるいくつかの模型を用いた実験を行い, 導流壁沿い水面形に及ぼす模型規模の影響を把握した. また, 模型実験での目視による水面形計測値と電気的な計測装置を用いた計測値を比較し, 目視水面形の誤差を示した.
  • 永山 功
    2004 年14 巻2 号 p. 101-107
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    RCD用コンクリートのコンシステンシーは一般にVC値を用いて表現されるが, 本論文は, VC値の大小がRCD用コンクリートの締め固めの程度に及ぼす影響について定量的な検討を加えたものである. その結果, RCD用コンクリートのVC値はセメントペーストの体積に大きく依存すること, また, 締め固め時間をVC値で除して無次元化すると, RCD用コンクリートの締め固め密度は無次元化した締め固め時間の関数として比較的よく近似できることが分かった.
  • 茶山 和博, 山内 彪, 森 利夫, 斎藤 邦夫, 平野 廣和
    2004 年14 巻2 号 p. 108-122
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    1990年11月雲仙普賢岳は198年ぶりに火山活動を開始し, 度重なる火砕流・土石流による人的災害や家屋等の壊滅的破壊がもたらされた. 1994年に始まった被害の拡大を防止するための復興工事は, 作業者の安全を確保するという観点から, 無人化施工が本格的に導入され重機の遠隔操作技術, 映像伝送技術が確実に実証されていった. しかし, 工事の基本となる測量作業は避難体制を強化した上での有人作業であり, 安全上早急に解決しなければならない課題であった. そこで, 危険地帯における測量作業の無人化を目指し, 遠隔測量システムならびに施工線表示システムの技術開発に取り組み成果を得ることができた. この成果はダムエ事を始め他の土木分野への応用が可能であると考える. 本論文は, この観点から各分野における今後の展開に何らかの参考にして頂くべく, 今回, 技術開発を行ったこれらのシステムの内容ならびに水無川2号砂防ダムエ事における無人化施工への適用とその評価について示したものである.
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