抄録
CVMによるWTPは, 回答者が評価対象事業に対してボランティア活動による参加を考えている場合, そうでない場合と比べて低い金額となる傾向がある. 本報告では, 事業への参加意欲を基金, 税金, ボランティア活動の3つの形態で尋ね, 各形態別のWTPに違いが生じる要因を分析した. ボランティア活動での参加を意識している回答者は, 基金の場合のWTPの約4分の1の低い値を示したことから, 今後CVMで事業評価を行う際, 金銭として評価されない回答者の参加意欲に配慮する必要性が高いことがわかった.