2023 年 18 巻 1 号 p. 28-42
目的:加工でんぷんスナック製品(PSSP)の過剰摂取や,う蝕を含む過体重関連疾患への影響に懸念が高まっている。本ナラティブレビューは日本のPSSPを取り上げ,PSSPとう蝕に関するエビデンスの評価を目的とする。
対象および方法:事前設定したシステマティックサーチの包含基準を満たす過去20年以内に出版された論文で個人の蔵書を更新した。合計75の文献を要約した。
結果:本レビューでは,デンプンの構造などを概説し,PSSPのう蝕原性,評価方法,影響を及ぼす行動因子を考察した。PSSPのう蝕原性を生物学的利用能,停滞性,摂取頻度の3つに分類した。多くのPSSPにも認められるデンプンと糖の組み合わせは,糖単独より高いう蝕原性を示す。う蝕は多因子性疾患だが,食事因子自体も多因子で,それらを2要因に分けた。後者の要因(食べ方)の方が重要である。このため,最近の日本人のPSSPへの嗜好の高まりや不健康な食行動の蔓延は口腔保健に悪影響を及ぼす可能性がある。加えて,PSSPは便利で美味しく,手軽なエネルギー源として宣伝され,健康に良さそうな添加成分が,脱灰と酸蝕を促進することもある。
結論:PSSPは,高い生物学的利用能,長い歯面停滞時間,高い嗜好性により,う蝕と関連している。日本の歯科衛生士は,う蝕リスクを包括的に管理し,PSSPがう蝕を含む過体重関連疾患に影響することについて患者教育を行う必要がある。