自律神経
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Print ISSN : 0288-9250
ミニレビュー
多系統萎縮症におけるGerhardt症候群の病理学的基盤と臨床的意義
中原 圭一高松 孝太郎工藤 仁孝伊藤 隆明植田 光晴
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2026 年 63 巻 1 号 p. 33-37

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抄録

多系統萎縮症(multiple system atrophy:MSA)は自律神経障害,パーキンソニズム,小脳失調を呈する進行性神経変性疾患である.Gerhardt症候群は声帯機能障害により生じる吸気性喘鳴で,MSAに高頻度にみられ,夜間の致死的気道閉塞や突然死に関与する.病態として従来,声帯内転筋ジストニアと声帯外転筋の神経原性萎縮が提唱されてきたが,近年は両者の共存が示唆されている.本稿ではGerhardt症候群の病理組織学的基盤と臨床的意義を最新知見から概説し,共存モデルに基づく病態理解が治療選択に重要であることを述べる.早期診断には家族からの病歴聴取と喉頭内視鏡が不可欠であり,治療方針は患者・家族との共有意思決定により最適化される.

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