日本歯科理工学会誌
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原著
接着修復した破折歯根の耐久性評価ー支台築造体への繰返し衝撃荷重による影響ー
服部 雅之武本 真治河田 英司吉成 正雄小田 豊
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2013 年 32 巻 1 号 p. 52-58

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抄録
破折した歯根を保存するため,接着技法を応用した治療方法が報告されている.しかし,接着強度や耐久性が治療の成否を左右する重要な要因と思われるにもかかわらず,その評価については不明な点も多い.そこで本研究では,破折した歯根を4-META/MMA-TBB系接着性レジンセメントを用いて接着し,ファイバーポストを用いて支台築造を行い,繰返し衝撃荷重を10,000回負荷した後の破断荷重を測定することによって,接着された破折歯根の耐久性を評価した.繰返し衝撃荷重を負荷した後の最大破断荷重は,衝撃荷重の大小に関わらず未破折歯と接着歯で有意差は認められなかった.また,繰返し衝撃荷重が大きい場合に初亀裂の発生荷重は低下したものの,未破折歯と接着歯で差異が認められなかった.さらに,衝撃荷重が大きい場合,未破折歯,接着歯に関わらずコアの破損割合が増加した.したがって,接着された破折歯根の耐久性は,未破折歯と同等と考えられた.
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© 2013 一般社団法人 日本歯科理工学会
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