日本歯科理工学会誌
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原著
医科用CTのCT値と歯科用コーンビームCTのピクセル値の比較
神田 昌巳上林 毅松﨑 紘一三上 格荘村 泰治
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2013 年 32 巻 1 号 p. 41-51

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抄録
 歯科用コーンビームCT(以下CBCT)のピクセル値が医科用CT(以下MDCT)のCT値に相応する骨質のパラメータとして評価できるか検証するため乾燥頭蓋骨に16個の石膏マーカーを取り付け,MDCT1機種とCBCT6機種で空気中と水中で撮影した.  空気中ではMDCTで撮影したマーカーのCT値の平均±標準偏差は1954±87,変動係数(以下CV)は0.045で変動は少なかったが,CBCTの一例のピクセル値は2815±305,CV=0.108とMDCTのCT値から大きくずれ変動も大きかった.他のCBCTも同様の傾向を示した.水中ではMDCTのCT値は空気中に対し8%低下したが,CBCTのピクセル値は機種により38〜67%に低下し,CVは大幅に増加した.以上の結果から,今回実験したCBCTのピクセル値はCT値に相当するパラメータとして骨質を正しく評価できないと考えられた.
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© 2013 一般社団法人 日本歯科理工学会
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