抄録
歯科用コーンビームCT(以下CBCT)のピクセル値が医科用CT(以下MDCT)のCT値に相応する骨質のパラメータとして評価できるか検証するため乾燥頭蓋骨に16個の石膏マーカーを取り付け,MDCT1機種とCBCT6機種で空気中と水中で撮影した.
空気中ではMDCTで撮影したマーカーのCT値の平均±標準偏差は1954±87,変動係数(以下CV)は0.045で変動は少なかったが,CBCTの一例のピクセル値は2815±305,CV=0.108とMDCTのCT値から大きくずれ変動も大きかった.他のCBCTも同様の傾向を示した.水中ではMDCTのCT値は空気中に対し8%低下したが,CBCTのピクセル値は機種により38〜67%に低下し,CVは大幅に増加した.以上の結果から,今回実験したCBCTのピクセル値はCT値に相当するパラメータとして骨質を正しく評価できないと考えられた.