日本歯科理工学会誌
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総説
グラスアイオノマーセメントとナノテクノロジー─ナノ粒子添加グラスアイオノマーセメントの性質─
中嶌 裕長沢 悠子重田 浩貴江田 義和日比野 靖
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2020 年 39 巻 3 号 p. 249-253

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抄録

ナノ粒子を添加したグラスアイオノマーセメントの性質は,ナノ粒子の種類や粒子径や合成方法,セメントへの添加量,セメントの種類などに影響を受けている.金属,TiO2などの酸化物,無機材料,線状高分子,リン酸カルシウム化合物のナノ粒子が添加されている.また薬理作用成分をナノ粒子と共に添加して薬理効果を期待するセメントもある.研究結果から,最適なナノ粒子添加量であれば,機械的性質やフッ素イオン放出量,抗菌性などを増加させることができる.ナノ粒子によるセメントマトリックス構造の強化とナノ粒子の均一分散によるマトリックスの高密度化によって機械的性質が改善されていると考えられた.しかしながら,ナノ粒子添加グラスアイオノマーセメントの長期的な性質の変化ならびに臨床経過は不明である.ナノ粒子添加によって機械的性質の改善と共に抗齲蝕性や歯質強化作用のような機能をグラスアイオノマーセメントに付与させることが望まれる.

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© 2020 一般社団法人 日本歯科理工学会
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