2022 年 41 巻 3 号 p. 227-234
リン酸カルシウム材料は有用なエレクトレットとなる.エレクトレットとは直流電圧印加(ポーリング)により正・負の電荷が分離した材料である.表面に高密度の誘起電荷をもつ材料で,生体内では局所的に周囲の無機・有機物質や細胞,組織に有益な効果を及ぼす.これまでに骨再生を始めとして,血管内皮や末梢神経の再生,あるいは創傷被覆材としての有効性,すなわちその優れたバイオマニピュレーション能を明らかにしてきた.本稿においてはエレクトレットの作製と作動原理,基礎的な性質,およびバイオメディカルな有効性について概説する.