2024 年 43 巻 2 号 p. 93-94
開発にあたって
日本国内において,デジタル歯科技術の普及が本格化したのは,21世紀に入りCAD/CAM切削加工によるジルコニア材料の臨床応用が始まったころである.それから四半世紀の時を経て,現在では日常臨床の様々な場面でデジタル技術が活用されている.とりわけクラウン・ブリッジなど歯冠補綴修復の分野では,デジタル技術が積極的に導入されており,材料・機器の双方において目覚ましい発展を遂げてきた.CAD/CAM切削加工用材料に目を向けると,ジルコニア,ハイブリッドレジンにはじまり,金属,PMMA,ワックス,etc.と多種多様な素材が応用されている.直近では高強度エンジニアリングプラスチックのPEEK材がCAD/CAM冠(V)として保険収載され,臨床家の注目を集めている.本稿で紹介する「トリニア」(図1)は,ガラス繊維とエポキシ樹脂よりなるハイブリッド材料である.グラスファイバー材の利点である軽量・高強度に加えて,CAD/CAM切削加工による高精度・品質安定を備えた補綴治療が可能となる.