2024 年 43 巻 3 号 p. 143-144
開発にあたって
軟質裏装材は,顎堤の咬合・咀嚼機能が低下し,硬質材料の義歯では機能回復が困難な症例に対し,疼痛緩和を目的として用いられている.特に,シリコーン系軟質裏装材は,物性の経時的な変化が小さく,耐久性に優れていることが知られている.一方,シリコーン系軟質裏装材の欠点として,長期的な使用によって義歯床との接着界面から剝離してくる,切削がしにくく調整が難しいというユーザーからの意見があった.そこで,ユーザーがより使いやすいように,高い「接着性」「切削性」「耐久性」を兼ね備えた新しい材料として「ジーシー リラインⅡ」(以下「リラインⅡ」)(図1)を開発した.