開発にあたって
近年,歯冠修復・欠損補綴分野における審美的要求が高まるにつれて,歯質欠損部の機能的回復に使用されてきた金属材料に代わりセラミックス等の審美性を重視した材料が適用されるようになった.さらに歯科分野へのCAD/CAMシステムの導入により歯科材料の多様性はますます進んでいる.当社は被着体の材質の違いよる接着への影響を受けにくく安定した接着性能を発現する,自己接着性レジンセメント「ビューティリンクSA」を2023年に発売した(図1).これまで当社は独自フィラー技術により予防的機能を有するS-PRGフィラーを配合したGIOMER製品群を数多く上市しており,本材は接着性レジンセメント分野におけるGIOMERの中核をなす製品の一つに位置付けられる.