経鼻栄養チューブをガイドワイヤーを用いて交換する方法を考案し実際の症例で実施した.【方法,対象】チューブ交換時にガイドワイヤーを用いて,ガイドワイヤーのみを残してチューブを抜き去り,その後ガイドワイヤーに沿って新しいチューブを挿入するという方法で初回経鼻栄養チューブの挿入が困難で,交換時に再挿入困難が予想される患者,およびすでに何度か交換時に再挿入困難を経験している患者13人を対象とした.【結果】3年間で13例,延べ63回実施し,1度だけガイドワイヤーがチューブと一緒に抜けてしまったが,それ以外は全例トラブルなく交換可能であった.所用時間は準備からチューブの固定までの全行程10分以内であった.また,長期継続者について内視鏡で鼻腔と咽頭を確認し,潰瘍形成など粘膜病変の有無を確認し異常所見は見られなかった.臨床上問題となる痛み,出血,潰瘍形成,感染などのトラブルはなかった.【考察】本法は経鼻栄養チューブの交換に使用でき,特にチューブの挿入困難例に対して有用な方法と思われた.