2011 年 15 巻 2 号 p. 209-213
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会評議員で嚥下食を提供していると考えられる施設を対象に,嚥下食を提供している対象者数および作製にかかる費用を調査した.
1 食当たりの嚥下食の平均配食数は,ゼリー状食品では主食13 食,副食16 食で,この食数の作製に要する平均時間は主食48 分,副食63 分であった.ペースト状食品では,主食22 食,副食24 食で,要する平均時間は主食59 分,副食85 分であった.咀嚼対応食では,主食49 食,副食51 食で,要する平均時間は主食65 分,副食94 分であった.
得られた結果をもとに,国立病院機構に勤務して5 年目の管理栄養士の基本給をもとに算出すると,嚥下食1 食当たりの作製にかかる人件費は,ゼリー状食品では主食109 円,副食114 円,ペースト状食品では主食77 円,副食100 円,咀嚼対応食では主食38 円,副食53 円であった.
また,形態調整している食事を食している一般病床および療養病床の入院患者数は,42 万人と推計された.