日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
Online ISSN : 2434-2254
Print ISSN : 1343-8441
症例報告
「口から食べる」を支えたことが家族の関わりにも変化をもたらした混合型認知症のある元ハンセン病患者の1例
馬場 まゆみ
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2018 年 22 巻 3 号 p. 267-272

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抄録

当園はハンセン病療養所の一つである.入所者の平均年齢は85.7歳と高齢であり,ハンセン病後遺症と老嚥のため,複雑な嚥下機能障害がみられる.また,ハンセン病療養所の特徴として,長い隔離政策の影響により家族の関係が希薄である場合が多い. 症例は99歳男性.2011年から6年にわたって経過を追うことができ,「口から食べる」を支えたことが家族の関わりにも変化をもたらした1例を経験したので報告する. 今回の経験から,認知症患者の終末ケアには,①認知症にはさまざまな症状があり,進行性で予後が良くない疾患であると理解し,②患者の経時的な変化を家族が把握し,③患者と家族がともに過ごせる機会を大切にし,④「口から食べる」を支えるための工夫や努力を続け,⑤相談しやすい環境を整えることが大切であると考えた.

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© 2018 一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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