日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
Online ISSN : 2434-2254
Print ISSN : 1343-8441
短報
摂食嚥下障害児の養育における保護者の育児負担感に影響する因子
山口 知子石﨑 晶子金田 智美渡邊 賢礼弘中 祥司
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2025 年 29 巻 2 号 p. 72-79

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抄録

 【目的】本研究は,摂食嚥下障害児を養育する保護者の感じる育児負担感に影響する因子を明らかにすることを目的とした.

【対象と方法】オンラインの患者の家族会に対し,摂食嚥下障害と育児負担感に関するアンケートへの協力を求めた.こどもが19 歳未満の35 名の結果について検討した.

【結果】アンケートの回答者は全員母親で,35 名中31 名(88.6%)がこどもに食事の課題があると回答した.食事の課題は,「調理」「食事介助」「外食」の3 つのカテゴリーに分けられ,課題の内容は非常に多岐に渡った.育児負担感は活動制限とこどもへの負の感情に分類して検討した.摂食嚥下障害児の保護者が感じる育児負担感は,こどもへの負の感情よりも活動制限が有意に強かった(p<0.01).活動制限は月齢と正の相関(r=0.40, p=0.02)を,ソーシャルサポートと負の相関(r=-0.40, p=0.02)を示した.こどもへの負の感情は経済状況と負の相関(r=-0.38, p=0.03)を示した.

【結論】摂食嚥下障害児を養育する保護者は,様々な食事の課題を抱えていた.育児負担感の軽減のため,ソーシャルサポートの充実など社会的支援の必要性が示唆された.

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© 2025 一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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