日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
Online ISSN : 2434-2254
Print ISSN : 1343-8441
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極めて粘稠なムース状食品の力学的特性,飲み込み特性と舌運動の関係
高橋 智子川野 亜紀大越 ひろ大塚 義顕向井 美惠
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2000 年 4 巻 1 号 p. 3-10

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抄録

極めて粘稠な硬さに調整したムース状食品の力学的特性と飲み込み特性,および超音波断層法による嚥下時の舌運動について検討を行った.市販にんじんうらこしに,加工デンプンが主原料の市販増粘剤を添加した試料をデンプン系試料,グアガムが主原料の市販増粘剤を添加した試料をグアガム系試料とした.力学的特性のテクスチャー特性では,硬さ,凝集性,付着エネルギーの何れについても,2種の試料間に有意差は認められなかった.一方,バネ緩和法により得られた降伏応力は,デンプン系試料がグアガム系試料に比べ,有意に小さいことが認められた.官能評価による飲み込み特性は,デンプン系試料はグアガム系試料に比べ,有意にべたつき感があり,飲み込みにくく,残留感があると評価され,飲み込み特性が劣っていることが示唆された.また,降伏応力が小さく,飲み込みにくいと評価されたデンプン系試料はグアガム系試料に比べ,嚥下時に舌背正中部がより深く陥凹し,また,陥凹している時間も長くなる傾向が示唆された.

以上の結果より,舌と上顎により生じる食物の変形により,口中で広がりやすい食物であるほど,べたつき感があり,飲み込みにくく,残留感を感じる.また,食塊としてまとめるために,嚥下時に舌の中央部がより深く陥凹し,陥凹している時間も長くなるものと推測される

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© 2000 一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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