日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
Online ISSN : 2434-2254
Print ISSN : 1343-8441
総説
韓国における嚥下障害リハビリテーションの進歩
Tai Ryoon HANNam Jong PAIKHyung Ik SHINJin Woo PARK
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2000 年 4 巻 2 号 p. 14-29

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抄録

われわれは,1993年より嚥下障害患者の客観的評価のためにVFを行ってきた. VFは,嚥下障害の評価と治療方針の決定に非常に有効であり,また比較的安全な方法である.嚥下障害の臨床状態とVFの定量的評価のために,われわれは臨床機能スケールとVFスケールを開発した.これらのスケールは誤嚥のグレードとかなりよく相関しているが,長期帰結のより高い相関のために新しいバージョンを開発する予定である.

嚥下障害の治療として,食事の調整は嚥下訓練や代償的手法と同様に非常に重要である.われわれは食品素材の粘性に基づいて,3段階の嚥下障害食システムを作った。このシステムはVFの検査手順に一致した食品の調整が行われている.また,line spread test(線拡がりテスト)は家庭において食品素材を分類するのに非常に簡便な方法である.

われわれはVFを用いて,脳卒中後に嚥下障害を来たした患者の長期追跡調査を行った.その結果は他の報告に比べて良好であった.この嚥下障害の改善は,以上述べてきたわれわれ独自の嚥下障害食を含む治療の成果だと考えている.

最後に,嚥下障害のリハビリテーションにおいては,治療の評価と方針の決定において医師の果たす役割が大変重要であり,医師が嚥下障害治療チームのリーダーにならなければならないと考える.

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© 2000 一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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