日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
Online ISSN : 2434-2254
Print ISSN : 1343-8441
臨床ヒント
咀嚼・嚥下力低下者に適した食パンの検討
―施設高齢者による主観的評価―
小城 明子石川 朋宏植松 宏
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2005 年 9 巻 1 号 p. 83-85

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抄録

咀嚼・嚥下機能の低下した高齢者にも安全に食べることができるパンの提供を目的に,改良食パンを試作し,施設高齢者48名(平均年齢80.1±8.6歳)による主観的評価を得た.試作した改良食パンは,パン組織構造の密度が低密度で歯切れを改良した食パンと,高密度でしっとりした食感に仕上げた食パンの2種類であり,一般の食パンを対照として,味,食べやすさ,好みについて3段階法および自由回答による評価を得た.歯切れの改良をコンセプトとした食パンは,味,食べやすさ,好みについては一般の食パンに対する評価と大差ないものの,やわらかさ,皮の歯切れが評価されており,咀嚼力低下者には食べやすい食パンであることが明らかとなった.一方,しっとりとした食感に仕上げた食パン.は,その食感よりも甘味が評価された.

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© 2005 一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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