抄録
雲仙・普賢岳噴火災害(1991-95)の復興を概観して、直接被災地の一被災集落で組み上げられてきた復興団体活動の実績と、それに学びつつ展開を見た住民創案の大規模復興公共土木事業の実例を、復興課程論(第1~4階梯)として検討する。そこでは科学的、法定民主的な組織活動展開の勘所、古今内外の取り組みの伝播・学び合いの意義・重要性に着目した。被災者自身が構想する生活再建のあり様に伴奏しつつ、眼前の被災状況を適切に分節化して捉えて、その対応策を古今内外の事例・ストックから適切に引き出しそこに接ぎ木していくこと、そこに学会の研究実践が適切に介入していく意義を論じた。