日本透析医学会雑誌
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短報
血液透析患者の無症候性心筋虚血とpulse wave velocity
向井 正法向井 一光保坂 望平井 優紀大森 真帆柴田 孝則原 茂子秋澤 忠男
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2007 年 40 巻 3 号 p. 271-274

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抄録
血液透析患者の虚血性心疾患に自覚症状を伴わない無症候性心筋虚血 (silent myocardial ischemia : SMI) が存在する. Cohnの分類によるI型SMIは, 狭心症状の既往が全くないまま, 突然急性心筋梗塞をきたすもので, 早期診断が重要となる. われわれは, 冠動脈造影 (CAG) にてCohn I型SMIと診断された10例の血液透析患者のpulse wave velocity (PWV) を検討した結果, CAG所見より得られた冠動脈重症度指数とPWVとの間に重回帰分析により有意 (p<0.002) な相関が認められた. PWV検査は透析患者におけるSMIの早期発見の契機となる可能性が示唆された.
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© 2007 一般社団法人 日本透析医学会
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