抄録
血管撮影装置に頼ることなく, 超音波診断装置 (エコー) ガイド下でシャント経皮血管拡張術 (PTA under ultrasound guidance : PTAUS) ができるとすれば, その利点は多い. たとえば, 患者のみならず医療従事者への放射線被曝という問題を考慮する必要がない点や, 血管撮影装置のない施設においてもPTAが施行できる点などがあげられる. 今までにもPTAUSを行ったとする報告はいくつか散見されるが, いずれの報告においても, 目的とする狭窄部位への正確なバルーン部誘導の困難さが, その欠点として論じられてきた. 今回われわれは, PTAUSを行うにあたり, 術前の正確なシャント肢へのマーキングに加え, カテーテルと等長の滅菌済みチューブをバルーンカテーテル起始部に装着する簡便な方法 (シャドウカテーテル法) を用いることで, 容易かつ正確にバルーン先端を目的部位へ誘導する技術を考案したので報告する.