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日本透析医学会雑誌
Vol. 40 (2007) No. 9 P 781-787

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http://doi.org/10.4009/jsdt.40.781

原著

血清C反応性蛋白 (CRP) 値は透析患者での心血管系合併症の独立した危険因子と考えられている. 近年, HMG-CoA還元酵素阻害薬であるスタチンは脂質異常を改善する作用を有するだけでなく, 内皮細胞機能障害の改善, 抗凝固作用, 抗炎症作用, プラークの安定化といった多面的効果を有することが報告されるようになった. Non-HDL-コレステロール (Non-HDL-C) が130mg/dL以上の28名の腹膜透析 (PD) 患者に少量のロスバスタチンカルシウム (ロスバスタチン) 1日2.5mgを24週間投与し, その服薬の継続性とともに脂質異常改善作用とロスバスタチンの有する多面的効果について検討した. 高感度CRP (hsCRP) は0.41mg/dLから0.12mg/dLへと低下した. Non-HDL-Cは155.3mg/dLから97.4mg/dLへ, 中性脂肪 (TG) は143.1mg/dLから116.5mg/dLへと減少したが, HDL-コレステロールに有意な変化は認められなかった. また, リポタンパク(a) [Lp(a)] は41.8mg/dLから31.8mg/dLへと低下し, 血清アルブミンは3.5g/dLから3.6g/dLへと軽度ではあるが上昇した. なお, CKの上昇はなく, 1名が筋肉痛の自覚症状にて服薬を中止した. ロスバスタチンはPD患者に安全に投与でき, 総コレステロール, Non-HDL-C, TGを低下させるだけでなく, CRP, Lp(a), フィブリノーゲンを減少させ, アルブミンを上昇させる効果を有することが示唆された.

Copyright © 2007 社団法人 日本透析医学会

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